Friday, December 11, 2009

B名詞と動詞 10、<留意事項>

 ここで心身、心脳の問題に就いて触れることには意味があるであろう。心身は心を脳、身を脳以外の身体(実はこれも脳を含もうとするのだが)であるとすると、脳を特別視する考え方であるし、身を脳も含む身体全部で、心を意識、感情、意志、知覚、記憶といったものとすると、生理学と心理学の二元論ということとなる。又心脳二元論とは心を随意的(意識的)、脳を不随意的と捉える捉え方か、心を右脳、脳を左脳と捉える捉え方かいずれかであろう。
 今後哲学でこのことを論じるとしたら、心脳を同一視したなら随意、不随意の差とは明確ではないことをその根拠として、心身を同一視するなら脳は身体全体に影響を与えるが、同時に影響もされるということを根拠とすべきであろう。本論では基本的に心身、心脳同一として論を進めるが、その都度心を脳としたり、右脳としたり感情としたりするが、それはその都度指示しようと思う。
 哲学では多く身は脳も含めたものとして捉えるが、知覚を知覚行為(物理的事実)として捉えれば、その形式だから身、しかしその内容として捉えれば心という峻別には意味があるから峻別するも、形式と内容は知覚の意志がかかわる前頭葉から知覚をなす後頭葉への実は脳全体の連関であるから、形式、内容という峻別は脳全体の行為として見れば一つの認識方法でしかない。行為を目的としても手段としても捉えることは可能だが、これも勿論二つに類別することは出来ない。ただ我々は手段として見たら目的として見たら、あるいは形式として見たら、内容として見たらこうなるだろう、という示唆に本論では留めよう。

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